【2026年最新】日本で加速する「新世代EC」攻略ガイド
メルカリShops & TikTok Shopの破壊力

日本のEC市場といえば、長らく「Amazon」「楽天市場」「Yahoo!ショッピング」の3強時代が続いてきました。しかし、2025年から2026年にかけて、その勢力図に大きな地殻変動が起きています。
その中心にいるのが、日本最大のフリマアプリから進化した「メルカリShops」と、圧倒的な拡散力で上陸した「TikTok Shop」です。
本記事では、これら「新世代EC」の正体と、企業がどのように活用すべきか、最新の市場データと共に解説します。
1. メルカリShops:2,300万人の「宝探し層」を掴むB2Cの門戸
メルカリは日本で月間2,300万人以上が利用する、国民的プラットフォームです。かつては個人間取引(C2C)が中心でしたが、法人向け出店サービス「メルカリShops」の台頭により、企業の重要チャネルへと変貌しました。
【ユーザー層と特徴】
- 圧倒的なユーザー規模: 日本の人口の約5人に1人が毎月利用しています。
- 「お得感」と「一点物」への執着: ユーザーは「良いものを安く、あるいはここでしか買えないもの」を探す「宝探し」のような感覚で利用しています。
- 売上金の循環: ユーザーは不用品を売った「メルカリポイント(売上金)」をそのまま購入に充てるため、財布の紐が非常に緩いのが特徴です。
【市場規模とトレンド】
日本のリユース市場は2030年までに4兆円規模に達すると予測されていますが、メルカリはその牽引役です。
- トレンド商品: アニメ・キャラクターグッズ、エンタメ関連、コスメ、アパレル。
- 販売形態: 在庫処分品や「訳あり品(アウトレット)」が非常に売れやすいほか、農家直送の食品なども「新鮮さ」を武器に急成長しています。
【重要】海外企業の出店に関する注意点💡
海外企業が日本市場への参入を検討する際、まず知っておくべきは「メルカリShopsへの直接出店(海外法人のままの登録)は、2026年現在も認められていない」という点です。
メルカリShopsに出店するためには、以下の条件を満たす必要があります。
- 日本国内の住所(法人登記または拠点)があること
- 日本国内の銀行口座を保有していること
- 日本の電話番号による認証が可能であること
そのため、海外にのみ拠点を持つ企業がメルカリのユーザー層にリーチするには、「日本の正規代理店を通じた委託販売」、もしくは「日本国内に支社を設立して出店する」というステップが必須となります。参入障壁はTikTok Shopに比べて高いものの、その分、出店できれば「日本国内ブランド」としての信頼を勝ち取りやすいという側面もあります。
2. TikTok Shop:動画から「0秒で購入」させる新体験
2025年に日本へ本格参入した「TikTok Shop」は、2026年現在、若年層から30代・40代へとその影響力を急速に広げています。
【ユーザー層と特徴】
- 「発見型」の購買行動: 従来のECが「検索して買う」のに対し、TikTok Shopは「流れてきた動画を見て、欲しくなり、その場で買う」というDiscovery Commerce(発見型コマース)です。
- アプリ内完結: 動画やライブ配信から、外部サイトへ飛ばずに数タップで決済まで完了します。この「離脱のなさ」が驚異的なコンバージョン率(CVR)を生んでいます。
【販売形態と強み】
- ライブコマース: インフルエンサーがリアルタイムで商品を実演販売します。視聴者の質問にその場で答えるため、信頼構築が極めて速いのが特徴です。
- ショート動画: 最初の3秒で視覚的に訴求する動画が、一晩で数万個のヒット商品を生む「バズ売れ」現象が頻発しています。
【市場規模とトレンド】
グローバルでは数兆円規模のGMV(流通取引総額)を誇るTikTok Shop。日本でも美容・コスメ、ガジェット、アイデア雑貨を中心に、特にD2C(直接販売)ブランドが急成長しています。
【海外企業への開放度:越境ECのフロントランナー】
メルカリShopsとは対照的に、TikTok Shopは海外企業による「越境出店」を積極的に受け入れているのが最大の特徴です。
2026年現在、多くの海外セラー(特にアジア圏のメーカー)が、自国の倉庫から日本の消費者にダイレクトに商品を届ける「越境モデル」で成功を収めています。日本国内に拠点を持たなくても、プラットフォームが提供する物流サポートや決済システムを利用することで、スピーディな日本市場参入が可能です。
3. どちらに出店すべきか?企業向けの比較・戦略表
| 特徴 | メルカリShops | TikTok Shop |
|---|---|---|
| 主なターゲット | 20代~60代(全世代・主婦層に強) | 10代~40代(タイパ・流行重視層) |
| 得意な商品 | ブランド品、訳あり品、食品、趣味品 | コスメ、アパレル、便利グッズ、ガジェット |
| 海外企業の出店 | 不可(国内法人・住所が必須) | 可能(越境ECスキームが充実) |
| 購買動機 | 「安く買いたい」「掘り出し物が欲しい」 | 「ワクワクしたい」「今すぐ欲しい」 |
| 運用負荷 | 低(商品登録と配送管理がメイン) | 高(継続的な動画制作・ライブ配信が必要) |
メルカリShops
主なターゲット:20代~60代(全世代・主婦層に強)
得意な商品:ブランド品、訳あり品、食品、趣味品
海外企業の出店:不可(国内法人・住所が必須)
購買動機:「安く買いたい」「掘り出し物が欲しい」
運用負荷:低(商品登録と配送管理がメイン)
TikTok Shop
主なターゲット:10代~40代(タイパ・流行重視層)
得意な商品:コスメ、アパレル、便利グッズ、ガジェット
海外企業の出店:可能(越境ECスキームが充実)
購買動機:「ワクワクしたい」「今すぐ欲しい」
運用負荷:高(継続的な動画制作・ライブ配信が必要)
4. 海外企業にとってのチャンスと課題
日本市場への参入を狙う海外企業にとって、これら2つのプラットフォームは「テストマーケティング」に最適と言えるでしょう。
- メルカリShops: すでにブランド認知がある場合や、リユース文化が根付いている日本で「中古・新古品」としてブランド価値を再定義するのに向いています。2026年からは越境EC機能(Mercari Global App)も強化されており、海外からの出品もスムーズになっています。日本国内に協力会社や代理店がある場合は、メルカリShopsを活用して「日本国内在庫」による安心感をアピールするのが得策です。
- TikTok Shop: ブランド認知がゼロからでも、「動画の面白さ」一つで爆発的なシェアを取れる可能性があります。特に、ビジュアルで効果が分かりやすい「美容機器」や「ライフスタイル雑貨」を持つ企業には、Amazon以上の破壊力があります。自社で直接コントロールしながら、動画の拡散力で一気に認知を広げたい場合は、越境出店が容易なTikTok Shopが第一選択肢となります。
まとめ:2026年は「プラットフォームの使い分け」が勝敗を分ける
Amazonや楽天で「指名買い」を待つだけの時代は終わりました。
2,300万人の購買意欲が渦巻くメルカリで「お値打ち感」をフックに固定客を掴むか、TikTokで「感情」を揺さぶり衝動買いを誘発するか。
自社の商品特性が「安心・信頼・価格」なのか、「驚き・流行・体験」なのかを見極め、適切なプラットフォームを選択することが、日本市場での成功への最短ルートとなるでしょう。





