【現場のリアル】国内管理人制度、施行1ヶ月で判明した「想定外」のトラブルと対策

【現場のリアル】国内管理人制度、施行1ヶ月で判明した「想定外」のトラブルと対策

2025年12月25日の製品安全4法改正から2か月。国内管理人制度運用および保安ネットでの特定輸入事業者申請の際にあったトラブルや、経済産業省への照会事例について実例を用いてわかりやすく解説します。


【実録】現場で発生した主なトラブル

事例①:書類情報の不備 — 「技術の翻訳」が導入の壁に

日本国内の代理人や行政書士等により、海外事業者自身ではなく代理で輸入事業者申請をする場合に気を付けなければならない第一の点は書類の不備です。

書類作成には行政書士の資格が必要で、サービスとして代理人が書類の作成を行うことは法令上禁止されています。

よって、海外事業者自身が日本の法令や書類の形式を理解し、作成をする必要がありますが、そこで言語の壁が立ちはだかってきます。

経済産業省は不備の箇所について大枠を教えてくれますが、細かいところについては教えてくれないので、再申請と修正のループに陥る可能性が高くなります。

事例②:連絡手段の「WeChat vs メール」問題

事例①にもかかわることですが、書類の不備があった場合海外企業とやり取りをするのは主にメールが連絡手段となります。

契約書および輸入事業者申請の連絡先はメールアドレスを記載していますが、実際中国の企業はメールの確認をあまりしません。

Wechatが事実上の連絡手段になっているからです。そのため、中国企業を相手取る国内管理人はメール以外の連絡手段として、中国企業の担当者のWechat情報も手に入れておく必要があります。

海外企業が日本の精度を100%理解することは非常に難しいです。書類の不備や連絡手段の確保など、とにかくコミュニケーションが国内管理人の担当者実務の実態となります。できれば外国語が堪能なスタッフと2名体制で実務運用をしていくことが望ましいのが現状ではないでしょうか。

【経産省照会】実務を左右する重要回答

照会ケースA:【要確認】国内管理人は「日本居住」の担当者が必須

こちらは弊社が代理で輸入事業者申請を行った後、実際に経済産業省からヒアリングされた事項になります。

国内管理人の資格には「法人の場合は日本国内で登記されている必要がある」ことが明記されていましたが、その担当者が日本に在住していることまでは明確な記載は確認できていません。

しかしながら、経済産業省の解釈では「国内管理人は海外企業と日本の経済産業省との仲介的な役割を担うので、もちろん担当者は日本国内にいる必要がある」と考えているようです。

外国語が担当なスタッフを採用したとしても、頻繁に海外に行ってしまう場合は、担当者を変更する必要が出てくるでしょう。また、登記しているだけのペーパーカンパニーを経済産業省が警戒していることもうかがえます。

照会ケースB:【最重要】「立ち入り検査」の現場は国内管理人の事務所

こちらも電話で経済産業省の方と確認したことになりますが、立ち入り検査は国内管理人の事務所に経済産業省のスタッフがくることを予定しているようです。

検査すべき対象は海外事業者なので、事業者単位でランダムに検査が実施されますが、実際に海外の事務所まで訪問することはできないため、国内の代理人である国内管理人の事務所を訪問することになるようです。

その際に、国内管理人は海外事業者との仲介役として、検査記録の即時提出や、経済産業省からの質問等を海外事業者に仲介して回答を要請することになります。

経済産業省側もまだ制度が始まったばかりで、これとはっきり決まっていないことも多い印象でした。国内管理人は、海外事業者と日本政府との「橋渡し役」をしっかり行えるかどうかが従業な役割となりそうです。言語のみならず、商習慣や制度の乖離を埋める役割をどう担っていくのかが問われます。

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